プライバシーを守って、映像の長期活用を可能に

 我が国の全国各地に点在する監視カメラは、監視以外にも交通量調査や観光地の賑わいの分析に用いられています。特に、コロナ禍には観光客の減少もあり、観光客の老若男女別の挙動の変化を分析することで、施策を練る必要がありました。しかし、監視カメラには保存期間が定められており、長期にわたった分析ができない課題があります。また、既存手法では、被写体に一様なマスキングを施すことで、個人を特定できないように加工できます。一方で、加工後の動画像では、分析に必要な個人属性(性別や年齢など)を取得することが困難です。そこで、深層学習を用いて映像中の人物属性を推定し、その人物属性に合わせたマスキングを施すことでプライバシーを確保しながら、分析に利用できる映像に加工する手法を提案しました。