AIを用いたテコンドーの自動採点手法に関する基礎的研究
背景と問題設定
審判員の目視採点に伴う負担・主観性の懸念、ならびに既存の電子防具に伴うコスト・運用面の制約という前提。 競技映像からの自動採点という要請。
研究目的
審判員や電子防具を前提としない採点自動化の実現。 具体要素として、選手追跡・姿勢推定・採点用座標抽出・座標重なりによる得点判定という設計。
提案手法の要点
構成要素:選手検出(独自学習)→追跡→姿勢推定→ルール準拠の採点。
| 入力 | 試合動画像(スマートフォン撮影) |
|---|---|
| 中核技術 |
選手検出:YOLOv8nのファインチューニング(教師データ約1000枚) 識別追跡:ByteTrackによる選手ID保持 姿勢推定:Mediapipe Poseによる骨格座標取得 |
| 採点ロジック | 採点に必要な座標のみ抽出(肘・膝など非得点部位の除外)、 ITFルール準拠の得点体系(手技1点/蹴り2~3点)、 攻撃部位座標と被攻撃部位座標の重なりに基づく判定。 |
| 出力 | 両選手の獲得点(スコアボード表示) |
検証実験
iPhone撮影映像を入力とし、提案手法による採点結果と審判経験者の目視採点結果の比較による有用性評価。 撮影条件として、重なり低減を意図した斜め上視点の採用。
| 一致(採点タイミング) | 9回中7回の一致(約8割相当の精度水準) |
|---|---|
| 観測された誤差 | 誤採点の増加、採点回数の過大化(接触なしでも誤判定の発生) |
結果解釈・限界・展望
有用性の確認(一定割合で目視採点と整合)。 一方で、選手接近時の姿勢座標の乱れ、キック・パンチ等の高速動作に対する検出遅延、頭部と手部の重なりに起因する誤採点という限界。 改善方向として、教師データ拡充・姿勢推定モデル適応、ならびに複数台カメラによる遮蔽耐性向上という展望。
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